相続登記の必要書類一覧!追加で必要となる書類も解説

相続登記とは、相続によって不動産を相続した場合に行わなければならない手続きです。

具体的には、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更する手続きを指します。

相続登記の手続きには、提出しなければならない書類がいくつかあります。

本記事では、相続登記に必要な書類をすべて解説します。

【一覧】相続登記に必要な書類

相続登記に必要な書類の一覧です。

基本的には被相続人と相続人の欄の書類だけでよいのですが、ご状況によってはその他の欄の書類も必要になることがあります。

被相続人

・戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍

・住民票の除票

(または戸籍の附票)

相続人

・戸籍謄本

(または戸籍抄本)

・住民票

その他

・登記申請書

・固定資産評価証明書

・相続関係説明図

・遺産分割協議書

・印鑑証明書

・不在籍証明書、不在住証明書

・登記済権利証

・上申書

・相続放棄申述受理証明書

・在留証明書

・署名証明書

相続登記に必要な書類の解説

登記簿1

相続登記に必要な各書類について詳細を解説します。

被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍

被相続人の書類として、「戸籍謄本、除籍津尾本、改製原戸籍」が必要となります。

戸籍謄本、除籍津尾本、改製原戸籍は出生~死亡までのすべての履歴が証明できるものでなくてはなりません。

つまり、生まれたときに作成された筆頭者が親や祖父母の戸籍謄本から、筆頭者が変更され作成されたもの、法改正で再作成されたもの、入籍や転籍時新たに作成されたもの、出生~死亡までの履歴があるものをご用意いただく必要があります。

各1通ずつではなく、出生から死亡まで繋げた戸籍謄本等が必要なことにも注意してください。

なお、法定相続情報一覧図を提出する場合は戸籍謄本等の提出は不要になります。

戸籍収集について詳しくはこちら>>

被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)

被相続人の書類として、「住民票の除票」または「戸籍の附票」が必要です。

登記簿に記載されている人物と戸籍上で亡くなった方が同一人物であることを証明するためです。

登記簿上の住所及び本籍地の記載のある、住民票か戸籍の附票を用意してください。

本籍地と登記簿上の住所が同じ場合は、住民票等がなくても手続き可能です。

相続人の戸籍謄本(または戸籍抄本)

相続人の書類として、「戸籍謄本」または「戸籍抄本」が必要です。

不動産を相続する相続人だけでは足りません。

法定相続人全員の戸籍謄本が必要となりますのでご注意ください。

相続人の住民票

相続人の書類として、「住民票」が必要です。

住民票は新たな名義人(不動産を相続する相続人)だけで良いです。

共同名義の場合は、名義人全員の住民票が必要となります。

固定資産評価証明書

相続登記の書類として、「固定資産評価証明書」が必要です。

固定資産評価証明書は必ずご用意いただく書類です。

固定資産評価証明書とは、固定資産税を算出するために必要な書類です。

相続が発生した年度の固定資産評価証明書であることに注意が必要です。

なお、固定資産税納税通知書(課税明細書)でも相続登記には代用可能な場合もあります。

相続関係説明図

相続登記に「相続関係説明図」が必要となることがあります。

相続関係説明図とは、相続関係を略図化したものです。手書きでも構いません。

相続関係説明図が必要となる状況

相続関係説明図は、提出した書類の返却を希望する場合に必要になります。

ご希望されなければ、法務局へ提出した必要書類の原本は返却されません。

その他書類を返却してもらう方法として、戸籍謄本等は全てコピーを提出し原本還付処理することも可能です。

遺産分割協議書

相続登記に「遺産分割協議書」が必要となることがあります。

遺産分割協議後に作成するのが遺産分割協議書です。

遺産分割協議書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に遺産分割協議書が必要となるのは、遺産分割協議を行った場合です。

相続人間で「誰が・何を・どれくらい」相続するのか決めた場合には、相続登記の手続きの際に遺産分割協議書が必要となります。

遺産分割について詳しくはこちら>>

印鑑証明書

相続登記に「印鑑証明書」が必要となることがあります。

基本的には、法定相続人全員の印鑑証明書が必要となります。

ちなみに印鑑証明書に有効期限はありません。

印鑑証明書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に印鑑証明書が必要となるのは、遺産分割協議を行った場合上申書を提出する場合です。

遺産分割協議を行うと相続登記の際には遺産分割協議書の提出が必要なのですが、その遺産分割協議書と一緒に印鑑証明書も提出する決まりとなっているからです。

上申書も同様で、一緒に印鑑証明書を提出する決まりとなっています。上申書の詳細はこの後解説します。

不在籍証明書、不在住証明書

相続登記で「不在籍証明書」「不在住証明書」が必要になることがあります。

不在籍証明書や不在住証明書は、各市町村の住民票や戸籍謄本の発行窓口にて取得可能です。

不在籍証明書、不在住証明書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に不在籍証明書や不在住証明書が必要となるのは、住民票等の証明書類が取得できない場合です。

ただし、登記済権利証があれば、住民票等の証明書類が取得できなくても不在籍証明書や不在住証明書は不要です。

登記済権利証

相続登記で「登記済権利証」が必要となることがあります。

登記済権利証とは、登記が完了した際に登記所から買主等の登記名義人に交付する書面です。

登記済権利証が必要となる状況

相続登記の手続きで登記済権利証が必要となるのは、住民票等の証明書類が取得できない場合です。

登記済権利証があれば、不在籍証明書や不在住証明書といった他の代替書類の提出は不要となります。

上申書

相続登記で「上申書」が必要となることがあります。

上申書とは、公的機関に対して意見や報告を申し述べるための書類です。

印鑑証明書も一緒に提出が必要となりますので、別途ご用意ください。

上申書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に上申書が必要となるのは、何か事情があって必要書類を用意できない状況である場合です。

具体的には、住民票等の証明書類が取得できない場合や、戸籍謄本により相続関係を証明できない場合に提出をします。

相続放棄申述受理証明書

相続登記に「相続放棄申述受理証明書」が必要となることがあります。

相続放棄申述受理証明書は、家庭裁判所で発行されます。

「相続放棄申述受理通知書」でも代用可能です。

相続放棄申述受理証明書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に相続放棄申述受理証明書が必要となるのは、相続放棄をした場合です。

相続した財産が借金などのマイナス財産が多い場合、遺産の相続をすべて放棄することができます。

この相続放棄をした場合、受け継ぐはずだった不動産も放棄することになります。

相続放棄をしたら完了ではなく、不動産を相続しない旨を表明しなければなりません。

相続放棄について詳しくはこちら>>

在留証明書

相続登記に「在留証明書」が必要となることがあります。

在留証明書とは領事館で発行してもらうことができます。

在留証明書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に在留証明書が必要となるのは、相続人が海外に住んでいる場合です。

相続人が海外在住の日本人の場合、住民票が発行されません。

そのため、住民票の代わりとして在留証明書を提出しなければなりません。

署名証明書(サイン証明書)

相続登記に「署名証明書」が必要となることがあります。

署名証明書(サイン証明書)は領事館で発行してもらうことができます。

署名証明書が必要となる状況

相続登記の手続きの際に署名証明書が必要となるのは、相続人が海外に住んでいる場合です。

相続人が海外在住の日本人の場合、印鑑証明書が発行されません。

そのため、印鑑証明書の代わりとして署名証明書(サイン証明書)を提出しなければなりません。

相続人が海外在住の場合の手続きについて詳しくはこちら>>

必要書類に有効期限はある?

悩む

相続登記に必要な書類に有効期限はありません。古い書類でも問題なく提出できます。

注意しなければならない書類は、相続人の戸籍謄本と固定資産評価証明書です。

相続人の戸籍謄本については、期限はありませんが被相続人が亡くなった後に作成されたものでなければなりません。

固定資産評価証明書については、相続が発生した年度のものということです。

相続登記の書類に関するよくある質問

Q

相続時の状況によっては必要書類がプラスで必要、あるいは不要となることがあります。

Q1,遺言書がある場合の必要書類は?

被相続人が遺言書を作成していた場合は、一部書類が不要となることがあります。

具体的には、戸籍謄本等の書類を一部省略できます。

何が省略できるかは遺言書の内容にもよります。

例えば、戸籍謄本すべてではなく、死亡の記載がある最後の戸籍謄本のみで済むなどです。

遺言書について詳しくはこちら>>

Q2,被相続人が外国人の場合の必要書類は?

被相続人が外国人の場合の必要書類は、「宣誓供述書」です。

被相続人が外国籍の場合、相続人の証明として戸籍謄本の提出ができません。海外には戸籍制度がないからです。

そのため、宣誓供述書に相続関係の旨を記載し、外国の公証人等に認証を受ける必要があります。

適用される法律に注意が必要

日本の法律では、相続は被相続人の本国法によると定められています。

そのため、被相続人が外国籍の場合は、適用される法律から調べなければなりません。

法定相続人の定義など相続に関する法律が異なることがあります。

Q3,相続人が日本在住の外国人の場合の必要書類は?

相続人が日本在住だが外国籍の場合の必要書類は、通常通りで問題ありません。

日本に住んでいる場合は、居住地の市区町村で住民票、印鑑証明書を発行してもらえるのでそれらを提出してください。

なお、日本に住んでいない場合は、住民票や印鑑証明書を利用できません。

在留証明書や署名証明書が必要となります。

Q4,相続人が相続登記前に死亡した場合の必要書類は?

相続登記の手続き前に相続人が死亡した場合でも必要な書類の種類は変わりません。

ただし、もともとの被相続人と相続発生後に亡くなった相続人の2人分の書類を取得・提出する必要があります。

つまり、死亡した相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等と、死亡した相続人の相続人の戸籍謄本も必要ということです。

もとの被相続人の相続登記と、死亡した相続人の相続登記、両方の手続きを行わなければなりません。

2024年より相続登記には期限が設けられます

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相続登記は”期限付き”の手続きになる予定です。

相続の開始及び所有権を取得したことを知った日から「3年以内」に不動産の名義変更登記をしなければなりません。

3年の期限を過ぎてしまうとペナルティが課される可能があります。

また、2024年以降の相続登記について手続きをしたらいい、というわけではなさそうです。

以前の相続登記に関しても、相続登記義務化施行日より3年以内に手続きを行わなければならない可能性が高いです。

相続登記義務化についてはこちら>>

相続登記は相続の専門家に依頼で安心

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相続登記だけでも数枚以上、書類が必要となります。相続のご状況によってはプラスで必要となる書類もありました。

相続登記に必要な書類は市区町村役場や法務局などで取得する必要があり、営業時間が平日の夕方頃までということも多いです。

書類を不足なく、スピーディーに揃えるのも一苦労です。

また、以前の相続登記をされていない場合は、さらに手続きが面倒となる可能性があります。相続人が多すぎて戸籍収集に時間と手間がかかってしまうからです。

相続登記の専門家である司法書士にお任せいただければ、必要書類の取得代行~申請までご依頼いただけます。

時間がない、手続きに不安がある方はまずは司法書士にご相談してください。

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法律事務所は、料金が高額なイメージや・敷居の高いイメージがあるかもしれませんが、私たちは安心してご来所いただけるように初回面談を無料で承っております。

相続登記遺言成年後見などの相続手続きに関わるご相談は当事務所にお任せ下さい。

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相続登記サポート(対象財産:不動産のみ)

項目 相続登記
のみプラン
相続登記
お任せプラン
相続登記
丸ごとプラン
初回の無料相談(90分)
被相続人の出生から死亡までの戸籍収集 ※1 × ×
相続人全員分の戸籍収集 ※1 × ×
収集した戸籍のチェック業務 ※2
相続関係説明図(家系図)作成 ×
遺産分割協議書作成(1通) ※7 ×
相続登記(申請・回収含む) ※3、4、5、6
不動産登記事項証明書の取得
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※1 戸籍収集は4名までとなります。以降1名につき4,000円頂戴致します。
※2 戸籍に不足がある場合、1通につき2,000円を頂戴致します。
※3 相続登記料金は、「不動産の個数(筆数)が3以上の場合」「複数の相続が発生している場合」には、追加料金をいただきます。
※4 不動産の評価額により、料金に変更が生ずる場合がございます。
※5 不動産が多数ある場合、不動産ごとに相続人が異なる場合は、申請件数が増えますので別途加算されます。
※6 当事務所の報酬とは別に登録免許税(固定資産評価額の0.4%)が必要になります。例えば、不動産の評価額が2,000万円の場合、国への税金として2,000万円×0.4%=80,000円が別途掛かります。
※7 遺産分割協議書のみの作成ご依頼の場合の費用は、20,000円~になります。また、遺産分割協議書に不動産以外の内容を記載する場合は別途費用が発生します。

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