【注意が必要です】抵当権抹消当の手続きを断念したケース
ここでは抵当権抹消登記の失敗事例として勤務先から住宅ローンの借り入れをして、抵当権抹消登記が放置されており、会社の協力がもらえず、抹消手続きを断念したケースを解説します。
ご状況
ご相談者様は、お父様が亡くなり、当事務所で相続登記の手続きの依頼をされました。
しかし相続登記の際に、抹消されていない抵当権が残っていることが分かりました。
相続登記は無事に完了しましたが、その後、抵当権の登記を抹消するために、債権者に連絡を取りました。
無くなったお父様は、勤務先で住宅ローンの融資を受けていたそうです。
そのため、銀行ではなく、その勤務先の会社の抵当権が設定されていました。
勤務先の総務部に電話連絡をしたところ、「住宅ローンの融資をしたのは間違いないが、返済された記録が残っていない」と言われてしまいました。
住宅ローンの返済が終わったのが20年以上前であるため、全額返済したことの資料が、その勤務先に残っていなかったそうです。
その担当者からは、「全額返済したことの資料がない以上は、抵当権の抹消手続きには協力できない。どうしても抹消したいのであれば、完済したことの資料を見せてもらうか、もしくは裁判を起こしてください」というようなことを言われてしまいました。
結局、完済の資料は、お父さんの自宅には残っていませんでした。
結果
このような裁判を起こすためには、最低でも30万~50万程度の費用がかかります。
費用の面から、今回は抵当権の抹消手続きは諦めることになりました。
このまま抵当権が残ったままですと、今後土地を売却することが出来なくなってしまいます。
もし、ローンを完済した時に、すぐに抹消手続きをしていれば、このようなことにはなりません。
また、勤務先の会社が、協力的な態度を取ってくれれば、このようなことにはなりません。
とても残念なケースでした。
抵当権抹消登記について概要とポイントを知りたいという方は下記よりご覧ください。
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