当事務所の実際の相談事例です。(なお、事例を掲載することについてご本人の承諾を得ています)
(1)埼玉県鶴ヶ島市 Kさん
相談内容
債務整理をしている途中で、突然、依頼人様が亡くなってしまいました。ご遺族から相続放棄をしたいという相談を受けました。
対応内容
ご遺族が、被相続人(死亡した本人)が死亡した 事実と借金の存在を知り、3カ月以内のケースでした。ご遺族への調査等で被相続人には『負の遺産』しかないことが判明したため相続放棄を行いました。ま ず、本人のご両親が相続放棄をし、その後本人のご兄弟が相続放棄をしました。
(2)埼玉県東松山市 Mさん
相談内容
先日、母が亡くなりました。母の再婚相手との間で、誰が何を相続するのかで争いになりそうになりそうでした。遺産分けの争いに巻き込まれたくないので、相続放棄をしたいと思います。
対応内容
被相続人様には負の遺産はなく、預貯金や生命保険金等、プラスの財産が多く残されている事案でした。相続人様が遺産争いに巻き込まれたくないために、相続放棄をしたケースでした。
(3)埼玉県日高市 Aさん
相談内容
行方不明の弟がいましたが、数週間前に、川越の警察の方から死亡の連絡がありました。弟の部屋を整理していたら、金融会社数社からの請求書が届いており、借り入れの総額が200万円程度ありそうだったので、相続放棄をしたいと思います。
対応内容
被相続人様の借入先の金融機関名や、自宅に残されていた契約書等から、過払金等は発生していない事案であると判断しました。その旨を依頼人様に説明し、戸籍謄本等を揃えて相続放棄の手続きをとりました。
(4)埼玉県坂戸市 Tさん
相談内容
2か月ほど前に叔父が亡くなりました。叔父は依然、個人事業をしていいましたが、所得税を納めていなかったようです。税務署から支払の請求が来たため、相続放棄をしたいと思います。
対応内容
死亡後3か月という期限が迫っていたので、大至急相続放棄の手続きを進めることになりました。相続放棄が受理されたのちに、相続放棄の受理証明書を取得し、税務署に提出することをアドバイスしました。
(5)埼玉県入間郡毛呂山町 Kさん
相談内容
1か月ほど前に、別居中の夫が亡くなりました。夫には消費者金融からの借り入れがあり、長期間返済していました。だいぶ前に完済している業者もあったと思います。借金を相続したくないので、相続放棄を検討しています。
対応内容
借入先の金融業者名と、借り入れの期間などから 検討して、過払金が発生している可能性が高い事案でした。相談後、直ちに金融業者から取引履歴を取り寄せた結果、過払金が100万円以上発生していること が分かりました。相続放棄をすることを中止し、金融業者に対して過払金の返還請求を行いました。
(6)埼玉県坂戸市 Mさん
相談内容
別居中の夫が亡くなりました。相続人は私と子供の2人だけです。夫は住宅ローンをかかえていましたが、団体信用生命保険に入っていました。また、夫にはカード会社へのローンもあったようです。
対応内容
団体信用生命保険については、保険金は住宅ローンの債権者が受け取るものであって、相続財産には含まれません。これを利用したとしても、相続財産を処分したことにはなりません。そこで、団信保険を使って住宅ローンを完済しても、相続放棄の申述に影響はありません。
まず、団信保険の手続きをとってもらい、併せて不動産業者に不動産の査定をしてもらいました。次にカード会社から取引履歴を取り寄せました。
プラス財産(ローン完済後の住宅)とマイナス財産(カード会社への債務)を比較し、プラス財産の方が圧倒的に多いということが判明したため、相続放棄することを取りやめました。住宅を売却し、売れたお金でカード会社への債務を返済することになりました。