【解決事例】ご親族が遺言執行者に指定されていて、その手続きを代行をしたケースを司法書士が解説
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お客様の状況
相談者様の叔父様が公正証書の遺言をしており、相談者様が遺産を相続することになっていました。
それとともに、相談者様が遺言執行者として指定されていて、何をしたら良いのか分からないので相談に来られたケースです。
遺言執行者とは?
この「遺言執行者」とは、亡くなった人(遺言者)が書いた遺言に基づいて、その内容を実行する役割を担う人です。「遺言者の最後の意思を実現するために動く人」ということになります。
遺言執行者は、遺言者が持っていた財産を、遺言書に書かれた通りに相続人へ分配する手続きや管理を行います。
遺産が不動産の場合、それらの名義変更の手続きも行う権限があります。
今回のケースでは、ご親族が遺言執行者に選ばれていましたが、具体的にどのように手続きをすれば良いのかが分からず、ご相談にいらっしゃいました。
遺言執行者がしなければいけないことに関しては、色々な義務・責任があるのですが、代表的なものを説明します。
(1)通知義務
遺言執行者は、遺言を執行する前に、戸籍謄本等の書類を取り寄せて、すべての法定相続人を探し出さなくてはいけません。戸籍謄本などの証明書によって、すべての法定相続人が確定できたら、相続人や遺贈を受ける人に対して「遺言を執行する」という通知をしなければなりません。
これは、相続人や利害関係者に対して遺言が執行されることを知らせるためのものです。通知する内容は、基本的には「誰が遺言執行者であり、これから遺言に基づいて遺産の分割や手続きが進められる」ということです。併せて、遺言書自体のコピーも交付する必要があります。
また、執行手続きの途中で、遺産の目録を作成し、すべての相続人に通知する責任も負っています。その前提として、預貯金については金融機関ごとに「残高証明書」という書類を発行してもらい、その残高を目録に記載していく必要があります。
(2)財産管理義務
遺言執行者は、遺言の執行中に遺産の財産を適切に管理する義務があります。例えば、現金や不動産、株式などの財産がある場合、それらを安全に保管し、必要な手続きが完了するまでその価値を維持するよう努めなければなりません。財産の管理に関しては、適切な記録を残しておくことが重要です。
(3)相続財産の分割執行義務
遺言執行者は、遺言書の内容に基づいて相続財産を適切に分割し、相続人に引き渡す義務があります。この際、遺言執行者は相続人間のトラブルを避けるため、公平にかつ透明な手続きで執行を進めることが重要です。
(4)報告義務
遺言執行者は、相続人や遺贈を受ける人に対して、執行の進捗状況や結果を適宜報告する義務があります。これは、執行が公正に進んでいることを相続人が確認できるようにするためです。
これらの義務を果たさなかった場合、遺言執行者は損害賠償責任を負う可能性もあります。遺言執行者は、職務を誠実かつ慎重に行うことが求められます。
お客様からの依頼
ご相談者様に、このような義務・責任ついてご説明すると、「とても自分では行うことができない」ということで、手続きの代行の依頼を受けました。
また、ご相談者様は、「相続人の全員に遺言書を見せる必要はない」と思っていたようでしたが、これは間違いです。他の相続人に遺言書を見せると、遺留分減殺請求を受ける可能性もありますが、これを通知しないで遺言執行してしまうと、先述のように「手続きが法律に違反している」ということになり、損害賠償請求を受ける可能性も出てしまいますので、法律の規定する通りに、手続きを行っていく必要があります。
また、戸籍謄本を全て取り寄せたり、遺産の目録を交付したりすることが、「自分で全てを行うのは、非常に煩わしい」と感じたようで、このような点からも手続きの代行を依頼されたようです。
当事務所では、このような遺言執行手続きの代行の依頼を受けることも可能です。
遺言執行手続きでお困りごとがある場合には、ぜひ当事務所にご相談ください。
無料相談実施中
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