遠方の銀行口座を解約したケース

相談内容

兄(68歳)が亡くなりました。兄は結婚していましたが、子供がいなかったため、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹は全部で9人います。その9人がそれぞれ遠方に住んでいます。三重、福岡、宮﨑、大分、神奈川、兵庫、埼玉などに住んでいて、遺産分割の話し合いに集まれる状況ではありません。
また、相続すべき預金口座が岐阜県にありました。

相続人の間で電話で話し合いましたが、「法律上の取り分通りに分ける」ということになりました。

私が代表になって相続手続きをとろうと思っていましたが、銀行が遠方にあり、銀行に持っていくべき戸籍謄本も、自分で全て取るのは大変です。
また、亡くなった兄には預貯金の他に株式がありました。これをどのような金額で評価するべきなのかも、よく分かりません。

全ての手続きを一括でお願いしたいと思います。

ポイント

このケースは、「法律の定めの通りに分割する」という皆さんの合意あります。何の争いにもなっていません。
しかし、①相続人が多すぎて戸籍謄本を集めるのがとても大変なこと、②銀行が遠方にあること、③相続人の住所がバラバラで集まっての話し合いが難しいこと、④株式を金銭評価する方法が分からない、などの事情がありました。これを全てご自身でやろうとすると、とても大変で時間がかかってしまうケースです。


結果

まず、被相続人(依頼者のお兄さん)の相続人を調べるために、戸籍謄本を取得して調査をしました。相続人が9人、合計で38通もの戸籍謄本・住民票等を取り寄せる必要がありました。(これを依頼者本人が取寄せようとすると、それだけで合計60時間以上の時間がかかると思われます)。
兄弟姉妹間の相続の場合、亡くなった方のご両親の生涯戸籍(出生~死亡の間の全ての戸籍謄本)を取得する必要があります。他に相続人が漏れていないことを確認するためです。そのため、取得する戸籍の通数が多くなります。

これと並行して、岐阜県にある銀行・信用金庫等へ行き、預金口座の有無、預金残高を調査しました。

株式については証券会社に問い合わせ、残高証明書を発行してもらいました。
株式については、相続した人が後に売却をすると、売却益に対して所得税が発生する可能性があることを、依頼者に説明しました。
したがって、相続した人が売却する予定であるなら、かかるであろう所得税の分を計算に入れておかないと、均等な割合で相続することが出来なくなります。

また、死亡後に発生している未受領の配当金があります。これについても、誰が取得することになるのかを遺産分割協議書に書いておかないと、受け取ることが出来なくなってしまいます。

これらのことを相続人の方々に説明しました。

そのうえで、遺産目録および遺産分割協議案を作成しました。全員に確認してもらった後に、遺産分割協議書に署名・押印してもらいました。今回は相続人全員が遠方に住んでいるため、郵送で遺産分割協議書のやり取りを行いました。

その後、遺産分割協議書等をもって岐阜県の銀行等を回り、司法書士が解約・払戻しの手続きをとりました。また各自の希望の口座を指定してもらい、その口座へ司法書士から振込みをしました。

株式については、相続した人の名義で新規口座を開設してもらい、その口座に財産(株式)を移転するという手続きをとりました。また、未受領だった配当金の受け取り手続きも行いました。

依頼者に最終報告をして、報酬・費用の精算を行い、遺産整理業務が終了しました。

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