相続手続き中に養子縁組をしていたことが分かった事例を司法書士が解説!
ご依頼者様は当初、「父親が亡くなり、子供が二人いるだけなので、相続登記をしたい」ということで、相談に来られました。
当事務所で依頼を受けて、戸籍謄本を取得したところ、実は、依頼者の父には養子縁組をしたことがある子供が記載されていました。
依頼者の方も、そのことを知ってはいたそうですが、その後に養子縁組を解除(『離縁』と言います)していたと思っていました。
ところが、戸籍謄本を見たところ、離縁されている形跡がありませんでした。その養子の方は、現在は関西の方で生活していることが分かりました。
その方(養子)にも了解をもらわないと、遺産を相続することが出来ないことが分かりました。
具体的には、その人の印鑑証明書が必要で、書類に実印を押して頂く必要があります。
そこで、当事務所と共同で、相手方に対するお手紙の文案を検討して、依頼者の方から直接お手紙を出していただきました。
相続関係説明図や、遺産の目録等も添えて、相手方に送りました。
亡くなったお父さんに、どのような財産があり、「相手方の法定相続分を計算するとこのくらいになるのか」という書類も同封しました。
また、依頼者の方とお父さんとの間で、どのような関わり方をしていたのか、ご葬儀はどのようにしたのか、今ご遺骨はどこにあるのか、といったことも書いていただきました。
2回ほどお手紙を出したのですが、反応がありませんでした。
そこで、手書きで(直筆で)相手方にお手紙を書いてもらい、その結果、お返事をもらうことができました。
相手の方からのお返事によると、遺産は一切要らないということでした。
「お金でも要求されたら困る」と思っていました。亡くなったお父様は、不動産はありましたが、預貯金はほとんど無い状態でした。相手から何も要求を受けなかったので、依頼者の方はとても安心したそうです。
その結果、無事に不動産登記を行うことが出来ました。
養子にも相続権があります。実子と同じだけの権利があるので、注意が必要です。
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